息子のHくんは、おしっこはトイレでできるようになった。
まだ、うんちはトイレではできない。
たまに、おむつをとって真っ裸で、
おしっこしたくなったら一緒にトイレに行く
という流れではできるようになった。
今日は、おむつでもなく、真っ裸でもなく、パンツをはいて、
おしっこしたくなったらトイレに行こうと提案してみた。
だが、パンツをはくことを嫌がった。
そこで、持っているH君のパンツをすべて畳の上に広げて、
H君に1枚1枚紹介した。
・・・このパンツはデザインがかっこいいね
・・・このパンツは素材感が柔らかくて気持ちよそうだね
・・・これは、~君もはいていたよ
みたいな感じで。
そして、「どのパンツはいてみる?」と提案してみた。
すると、自分のはいてみたいパンツを選び取り、
見事にパンツを履いてくれた。
なにより、最初は断っていた本人が、何よりうれしそうに走り回っていた。
そして、「おしっこしたくなったら教えてね。一緒にトイレ行こうぜ!」と伝えた。
このあと、僕が他のことに気を取られ、
気づいたら畳の上で、パンツをずらしておしっこしていた。(笑)
もう一度、「おしっこしたいときは、教えてね。トイレまでついていくから、トイレでおしっこしよう」と伝えた。
そのあと、「おしっこしにトイレ行く?」と何回か聞いてみたが、
「まだ行かない」と断られたが、
最終的にはパンツの中でおしっこすることなく?(若干パンツは濡れていたが)
トイレでおしっこすることができた。
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最初は、1枚だけパンツを出して「パンツはいてみようか」と提案した。
でも、H君はパンツをはくことを嫌がった。
そこで、持っているH君のパンツをすべて畳の上に広げて、
H君に1枚1枚紹介した。
そして、どのパンツはいてみる?と提案してみた。
提案の仕方を変えるだけで、
本人の気持ちと、それによる行動が変わる。
パンツをはくことを嫌がった。にもかかわらず、
どのパンツはいてみる?と提案してみるだけで、
本人はパンツを快くはいて、むしろ楽しそう。
そう思うと、H君の本心はきっと「パンツをはきたくないわけではなかった」のだろう。
僕の提案によって、
パンツをはきたくない という気持ちが表れたのだろうか。
そう思うと、こちら(提案する側)の態度や姿勢、
それによって反映される、相手に対する質問や提案が、
相手の気持ちの表れを左右するのだと思う。
最初に1枚だけパンツを取り出し、
「パンツはいてみようか」と提案した時の僕は、
・・・パンツはいてくれるかな?
・・・まだ早いかな?
・・・慣れてないから嫌がりそうだな。
みたいな気持ちが心の中にあった。
でも、「どのパンツはいてみる?」と提案したときは、
パンツをはくことは前提で、
でもはくパンツくらいは選んでもらうという気持ちだった。
そう思うと、最初の「パンツはいてみようか」という提案は、
パンツの押し付けだったように思う。
もしかしたら、H君が嫌がったそのときの気持ちは、
「パンツをはきたくない」ではなく、
「自分がはくパンツくらい選ばせろ」とか
「そのパンツははきたくない」だったのかもしれない。
本人ももしかしたら、自分の本当の気持ちがどこにあるのか
分からなかったのかもしれない。
と思うと、人の気持ちって不思議だなと思う。
お互いにコミュニケーションをとりあって、
本当の気持ちがどこにあるのか、
もしかしたらそれは、自分も相手もどちらも分からない。のかもしれない。
だから人の気持ちをこれだと決めつけず、
やりとりを続けながら、
お互いが歩み寄りながら、時にバチバチしながら、
進んでいくしかないのかもしれない。