アートディレクター佐藤可士和さんの
「課外授業 ようこそ先輩」と「プロフェッショナル 仕事の流儀」をみました。
「デザインする」ということは、一体どういうことなのか?ということを考えるきっかけになりました。
自分らしく生きること、
ありのままで生きることは、
自分で自分の人生を作っていくこと、
それらの言葉は「自分をデザインする」と言い換えることができるように思います。
「デザインする」とはどういうことなのか?
この問いを深めていくことは、
「自分らしく生きるとは?」
「自分らしい人生とは?」
「自分で自分の人生を作っていくとはどういうことなのか?」という問いにもつながっていくように思います。
ですので、「デザイン」のプロフェッショナル、
佐藤可士和さんの「デザイン」に対する考え方は、
そんな問いに対してかなり参考になるお話だったように思います。
目に見えないコンセプトを形にするのはとっても難しいと思うんですが、何か秘密はあるんですか?
こんな問いに関して、こんな風に答えていました。
何かいいアイディアがぱっと浮かぶことなんて全然ないんです。「対象物の中に答えがある」それがわかってから、アイディアが出なくなる恐怖感がなくなりました。必ずアイディアはでる。
佐藤可士和さんの師匠、コピーライター鈴木聡さんの言葉
広告は演出するこではなく、むしろ本質に向いていくこと。洋服を着せることではなくて、裸にしていく。その時にたったひとつ残ったことが、そのコンセプト。
デザインというのは、対象に対して肉付けするものではなくて、
むしろそぎ落としていくことなのだということです。
カッコ良くしたり、オシャレにしたり、華やかにみせたり、可愛くしたり、
そのように、対象を大きく見せるものではなくて、
その対象の中にある、
本質的なものを見つけていく作業なのだと思います。
佐藤可士和さんの人生のターニングポイントとなったステップワゴンCM
そのCM製作の過程では、
商品とそれを取り巻く時代について、
なぜRVがうけるのか?
家族の車ってなんなのか?
今家族はどうなっているのか?
そんなことを永遠と語り合ったそうです。
この「ステップワゴンをデザインすること」と、
「自分をデザインすること」は、ほぼ同じことのように感じます 。
「デザインする」ためには、
「問い」と「他者(いろんな視点)」が必要なのだと思います。
「他者」との関わりのなかで、
いろいろな角度から自分が問われていくことによって、
自分にとってより大切な何かが見えてくるのだと思います。
その過程こそが、「自分をデザインしていく」
「自分がデザインされていく」と言えるのかもしれません。
あらゆる他者との関わりの中に身を置き、
自分から、そして他者から「問い」をぶつけられるほど、
「自分をデザイン」できるのだと思います。
そう考えると、
「 自分らしく生きていくこと」を仮に、
「自分の人生を自分でデザインしていくということ」とするのなら、
それは、 いつも問いの中に生きている状態と言えるのかもしれません。
完成された「自分」に自分をはめ込むわけでもなく、
自分を大きくみせたりするわけでもなく、
いつも模索し、自分という存在が問われていること、
それが「自分をデザインする」ことであり、
「自分らしく生きること」なのだと思いました。
「対話すること」や「問い」が、
自分らしく生きていくこと、
自分の人生をデザインしていく上で大切である理由が、
すこし深まったように思いました。
プロフェッショナル 仕事の流儀 「アートディレクター 佐藤可士和の仕事」