なんでも自己決定すればいいのだろうか?
自分で決めることはとても重要だと思う。
じゃあ、「なんだって自分で決めなさい」というように、
自己決定を尊重することが果たして重要なのだろうか?
その問いに対して、YESと
自信を持って言うことはできない自分がいる。
というのは、
「どのように」自分で決めるのか?
「何をもって」自分で決めるのか?ということが、
自己決定を支える重要な要素なのだと感じる。
スクールの子どもたちとの関わりを通してそんなことを強く感じている。
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スクールで子どもの学習に関わるようになって、
子どもの学習の状況を観察する中で、
子どもたちの自己決定の様子に目がいくようになった。
らくだメソッドの教材では、「記録表」の存在が、
この学習者の自己決定を支える重要なツールとなっている。
ただ、今のスクールではらくだ教材は使用できない中で、
どうしたらこの記録表での役割を見出せるのか?ということを考えていた。
まずこの2ヶ月で、学習した教材をストック&記録していくことを試みてみた。(子どもたちが取り組んだプリントを、1日の終わりに必ずまとめる)
まとめ方は、1日の最後にやったプリントをまとめて、その最上部のプリントに ・日付 ・プリントの内容(因数分解とか) ・どのくらいできたか(◎:答えをみないで完全できた ・△:できない箇所あり ・×:まったくできない) を書いておく。
いきなり子どもに学習した教材をストック&記録してもらうのはハードルが高いので、まずは僕がこっそりとはじめてみた。そして、翌週子どもと会ったときは、その記録をみながら今日はどこをやろうか?(先週・先々週はここやったね)ともちかけてみる。
らくだの記録表ほど学習の記録の正確性はないけれど、この学習記録を共有することで、子どもたちとの関係性や、子どもの学習に向かう姿勢が変わったように僕は感じている。
今までは、子どもが学習内容を自己決定していたとしても、その日その日の気分で教材を決めていたように感じるけれど、自分の学習の記録をもとに、今日の自分の学習の選択をしていく経験はこれまでになかった「選択方法」なのだと思う。
先週の記録をもとに、今日の学習の選択をすれば、自分の選択の自覚も深まる。今までは適当に、気分で決めていた選択が、少しだけ今の自分に最適だと感じる選択につながっていく。そこに選択の自覚が生まれてくる。
選択への自覚があれば、学習に対する姿勢も変わってくる。
本当にわずかなことなのだけれど、
そうやって少しだけ、学習の環境(仕組み)を変えるだけで、人の学ぶ姿勢って自然と生まれてくるのかもしれないと感じている。
自分のこれまでの軌跡がより鮮明残されていれば、
自分のこれから進みたい方向が自分の中に見えてくる。
自分の進みたい方向がイメージできたら、
自然と進みたくなる。
それが学習の姿勢に現れてくるだろう。
だからこそ、「自己決定」を支える
「どのように」自分で決めるのか?
「何をもって」自分で決めるのか?という視点で、
子どもの学習に関われたらと思う。